脳の発達には体の運動が欠かせません

「早くお話しができるようになってほしい」、「おちついて勉強に集中してほしい」、「お友達と仲良く遊んでほしい」
認知面や社会性だけに焦点を当てて色々試みても、思うようにいかないことがあります。視野を広げて、子どもはどのように発達するかを考えてみましょう。
 
学びのピラミッド(下図)をご覧ください。子どもはこのような段階に沿って発達します。まず五感を含む感覚、次に反射が成熟するなどの感覚運動の発達、そして聴覚や言語スキルを含む認知行動の発達、最後に認知・知性が発達します。注目していただきたいのは、学校での学習がピラミッドの頂点にあることです。つまり、学校での学習は、その下にいくつもの段階を経てやっと取り組める課題だということです。しかし現状では、あまりにも認知面だけにスポットライトが当たりすぎている感があります。

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子どもはピラミッドの段階に沿って、感覚や身体のスキル、日常生活の活動などを発達させます。必要な発達が完了していれば、学校の学習にスムーズに入れるでしょう。しかし、例えば感覚運動機能が十分に発達していないと、子どもの社会的、感情的な発達に影響があります。そうすると、感情のままに同級生に手がでてしまったりして、本人はそんなつもりがないのに、学校生活に差し障るようなことになってしまうかもしれません。

学校生活のスキルのうち、文字を書くことは、細かい動作がいくつも組み合わさってできています。体幹や肩、上腕の筋肉が十分発達して初めて、そのような動作を正確に行えます。もし、十分に身体が発達していないのに文字を書くことを教えようとすると、どういうことが起こるでしょうか。動きに必要な筋肉ができあがっていないので、いつまでもぎこちない書き方になってしまう恐れがあります。

子どもの脳は、自然な発達の段階に沿ったときに、最もうまく発達します。学びのピラミッドの土台には、感覚や身体の使い方などの様々なスキルがあります。この中のどれか一つでも抜けていると、認知や知性がうまく発達しません。それはちょうど、家を建てるときに土台がしっかり築かれていないと、上に立派な屋根を乗せようとしても崩れてしまうのに似ています。

崩れた土台をもう一度築き直せば、「結果的に」認知や知性が本来の働きを取り戻すことでしょう。そのためのツールがブレインジム(BG)であり、ビルディングブロックアクティビティ(BBA)です。

シンプルなエクササイズで身体と脳と心をつなげる

ブレインジム(BG)は、 26種類のシンプルなエクササイズにより、脳を活性化して学びの準備を整えます。アメリカのポール・デニッソン博士が、自身の学習障がいを克服した経験を基に体系化したメソッドです。
また、特別支援が必要な人を対象としたビルディング・ブロック・アクティビティ(BBA)は、発達段階に沿った身体からのアプローチです。脳の成長に必要な身体を作ることを目的としています。特別支援教育の教師、セシリア・ケスター(教育学修士)によって考案されました。
発達に遅れが見られるお子さんは、集中が困難、決まった遊び方したかできない、新しい場所が苦手、などのように、思考や感情、身体の使い方が一定のパターンに固定する傾向があります。BBAは、自分を制限するパターンを和らげて、可能性に開かれた新しいパターンを身につけることを目的としています。
発達に凸凹があるお子さんの中には、身体をリラックスさせるのが困難、呼吸が浅い、動眼運動が乏しい、などの特徴を持つ場合があります。そしてそのことが、感情コントロールの困難さや、学習の困難につながっているかもしれません。
例えば、模倣が苦手な場合を考えてみます。模倣は簡単な動作に見えますが、「相手を見る」、「相手と繋がる」、「相手の行動を理解する」、「その理解に基づいて自分の身体を動かす」など、たくさんの複雑なスキルが同時に必要となります。どのスキルで困難を感じているかは、お子さんによって異なります。アンサンブルでは、お子さんの困難を特定して、一人一人に合わせたサポートをご提案いたします。また、このようなお子さんを支援する方法を、専門職の方向けにご紹介いたします。
まずは、お子さんにとって負担がない方法、つまりブレインジムやビルディング・ブロック・アクティビティなどの運動療育メソッドを使って、脳と身体と心をつなげます。そうすることで、感情のコントロールや学習がしやすい身体の土台を作り、健やかな心身を目指します。